中小企業の融資環境は厳しくなりつつある!みずほ銀行などの動向注視
個人レベルでは借金することはあまり勧められるものではありませんが、これが事業者となると少々話は違ってきます。事業者でも借り過ぎは良い訳ではありませんが、そうでなければ銀行から借入して事業を行うと言うのは普通のことで、これによって銀行からお金が流れて、それが最終的に従業員の給料に繋がっていくわけです。銀行も事業者から支払われる利子によって潤いますし、うまくお金が循環して経済が成り立っているわけです。しかし何処かが滞るとたちまち企業経営まで影響が出てくることになります。
銀行には債務者区分と言うものが有る
銀行には債務者区分と言う物が有ります。融資先を管理するもので、要するに優良企業から要注意企業までをランク分けしたものです。公開していないところが多いですが、みずほ銀行などはWeb上で公開しています。銀行はこれに基づいて融資を行うことになります。当然ですが下位に位置している企業に貸す場合にはそれなりのリスクが伴うことになり、融資は徐々に困難になって行くわけです。大企業であれば上位に来る訳ですが中小企業は下位にランク付けされるところも少なくありません。
融資金額は減っていない
2013年3月までは中小企業円滑化法と言う物が有り、中小企業にも融資しなければならなかったのですが、それ以降はその縛りは無くなったため、融資が絞られるのではないかと言われていました。しかし融資額はそれ以後も徐々に上昇しており心配は杞憂に終わったかのように見えていたのです。しかし、内容をよく見てみると違いが見えてきます。現実には優良ランクの企業には融資が伸びていますが、下位ランクの企業の融資を絞られてきています。
銀行も利益を追求している
銀行は企業にお金を供給して経済を支えるという機能を持っているわけですが、企業であることに変わりはありません。したがって営利を追求するのは当たり前のことです。銀行が貸すお金の元は預金者ですから、危ないと分かっている企業に貸すのは預金者を裏切ることにもなりかねません。したがって銀行としては融資を絞る方向に動くことは致し方の無いことです。要するに下位ランクに位置する危なそうな中小企業には本来お金の融資はしたくないのが本音なのです。
今後中小企業向け融資は厳格化されていく
中小企業の人には耳の痛い話ですが、銀行は今このランク付けを更に厳格化しようとしています。したがって現在は融資して貰えていても、業績次第ではすぐにランクが落とされ融資が受けにくくなり、場合によっては融資自体が切られてしまう可能性もあるわけです。融資が切られれば中小企業は新たな融資先を探さなければならなくなり、それが見つからなければたちまち経営危機に陥ってしまう可能性もあります。これではなかなか経営上の冒険はできませんね。
中小企業が日本を支えている
日本には優良な大企業が沢山あります。しかしそれにも増して中小企業は沢山あり日本を支えています。しかもその中には独自技術を持つところも少なく有りません。しかしそれらの中小企業が必ずしも優良な経営状態にあるとは言えず、本来であればこのような中小企業は資金を投入して成長させ将来の新たな産業として育てなければなりません。みずほ銀行などは厳しく融資先を管理するのも必要なのかもしれませんが、あまり厳しくしてこういう芽を摘んでしまう事は止めて欲しいものです。